夏目漱石 夢十夜(转自咖啡论坛)
#3
第二夜

 こんな夢を見た。

 和尚の室を退がって、廊下伝いに自分の部屋へ帰ると行灯がぼんやり点っている。片膝を座蒲団の上に突いて、灯心を掻き立てたとき、花のような丁子がぱたりと朱塗の台に落ちた。同時に部屋がぱっと明かるくなった。

 襖の画は蕪村の筆である。黒い柳を濃く薄く、遠近とかいて、寒むそうな漁夫が笠を傾けて土手の上を通る。床には海中文殊の軸が懸っている。焚き残した線香が暗い方でいまだに臭っている。広い寺だから森閑として、人気がない。黒い天井に差す丸行灯の丸い影が、仰向く途端に生きてるように見えた。

 立膝をしたまま、左の手で座蒲団を捲って、右を差し込んで見ると、思った所に、ちゃんとあった。あれば安心だから、蒲団をもとのごとく直して、その上にどっかり坐った。

 お前は侍である。侍なら悟れぬはずはなかろうと和尚が云った。そういつまでも悟れぬところをもって見ると、御前は侍ではあるまいと言った。人間の屑じゃと言った。ははあ怒ったなと云って笑った。口惜しければ悟った証拠を持って来いと云ってぷいと向をむいた。怪しからん。

 隣の広間の床に据えてある置時計が次の刻を打つまでには、きっと悟って見せる。悟った上で、今夜また入室する。そうして和尚の首と悟りと引替にしてやる。悟らなければ、和尚の命が取れない。どうしても悟らなければならない。自分は侍である。

 もし悟れなければ自刃する。侍が辱しめられて、生きている訳には行かない。綺麗に死んでしまう。

 こう考えた時、自分の手はまた思わず布団の下へ這入った。そうして朱鞘の短刀を引き摺り出した。ぐっと束を握って、赤い鞘を向へ払ったら、冷たい刃が一度に暗い部屋で光った。凄いものが手元から、すうすうと逃げて行くように思われる。そうして、ことごとく切先へ集まって、殺気を一点に籠めている。自分はこの鋭い刃が、無念にも針の頭のように縮められて、九寸五分の先へ来てやむをえず尖ってるのを見て、たちまちぐさりとやりたくなった。身体の血が右の手首の方へ流れて来て、握っている束がにちゃにちゃする。唇が顫えた。

 短刀を鞘へ収めて右脇へ引きつけておいて、それから全伽を組んだ。――趙州曰く無と。無とは何だ。糞坊主めとはがみをした。

 奥歯を強く咬み締めたので、鼻から熱い息が荒く出る。こめかみが釣って痛い。眼は普通の倍も大きく開けてやった。

 懸物が見える。行灯が見える。畳が見える。和尚の薬缶頭がありありと見える。鰐口を開いて嘲笑った声まで聞える。怪しからん坊主だ。どうしてもあの薬缶を首にしなくてはならん。悟ってやる。無だ、無だと舌の根で念じた。無だと云うのにやっぱり線香の香がした。何だ線香のくせに。

 自分はいきなり拳骨を固めて自分の頭をいやと云うほど擲った。そうして奥歯をぎりぎりと噛んだ。両腋から汗が出る。背中が棒のようになった。膝の接目が急に痛くなった。膝が折れたってどうあるものかと思った。けれども痛い。苦しい。無はなかなか出て来ない。出て来ると思うとすぐ痛くなる。腹が立つ。無念になる。非常に口惜しくなる。涙がほろほろ出る。ひと思に身を巨巌の上にぶつけて、骨も肉もめちゃめちゃに砕いてしまいたくなる。

 それでも我慢してじっと坐っていた。堪えがたいほど切ないものを胸に盛れて忍んでいた。その切ないものが身体中の筋肉を下から持上げて、毛穴から外へ吹き出よう吹き出ようと焦るけれども、どこも一面に塞がって、まるで出口がないような残刻極まる状態であった。

 そのうちに頭が変になった。行灯も蕪村の画も、畳も、違棚も有って無いような、無くって有るように見えた。と云って無はちっとも現前しない。ただ好加減に坐っていたようである。ところへ忽然隣座敷の時計がチーンと鳴り始めた

 はっと思った。右の手をすぐ短刀にかけた。時計が二つ目をチーンと打った。

做了這樣一個夢。

退出師傅房間沿著走廊折回自己房間時,只見房裡已點上昏黃的座燈。單膝跪在座墊,拔去燈芯時,花形的丁香油噗咚掉落在朱漆的燈檯上。同時房間也頓時明亮起來。

紙門上的畫出自蕪村(譯注:與謝蕪村,1717-1783,是俳人亦是畫家)之筆。墨色的柳枝濃淡分明,遠近散佈在畫中,打著哆唆的漁夫斜戴著斗笠,走在堤防上。壁龕上掛著文珠菩薩的掛軸。香已燃盡,但房間角落仍飄蕩著香味。這是個偌大的寺廟,附近一帶萬籟俱寂,冷森森地毫無人跡。圓形座燈的影子映照在黑漆漆的天花板上,仰頭一望,總覺得影子活像是有生命似的。

我依然單膝跪在座墊,再用左手捲起座墊,右手伸進去一探,那東西果然還在。既然在就不用擔心。把座墊舖平,再盤坐其上。

你是武士。既是武士,不可能無法開悟。師傅如此說道。又說,看你修行了這麼多天仍無法開悟,你大概不是武士,是人類的渣滓。我笑著回說,您生氣了?

師傅憤憤回道,不甘心的話拿出你已開悟的證據出來!說完把頭轉向他方。真是豈有此理。

待隔壁大廳壁龕前的座鐘下次敲響前,我一定開悟給你看。等我開了悟,再入師傅的房間。那時,再以我的悟道交換師傅的首級。若無法開悟,便無法奪取師傅的性命。所以,我非要開悟不可。因為我是武士。

若無法開悟,只能自刃。武士一旦受辱,怎能苟且偷生?不如死得壯烈。

想著想著,手又不自覺地伸進座墊下。順手抽出一把朱鞘短刀。緊握著刀柄,甩掉刀鞘後,冷峻的刀光瞬時劃亮昏暗的房間。宛如有一樣駭人的東西,自我手中嗖嗖奔逃出去一般,然後再聚集在刀鋒上,將所有的殺氣凝聚於一個點上。當我凝視著這把被縮聚成針頭形狀,又在尖端被強迫磨尖的鋒利刀刃,頓時興起一股想扎人的衝動。全身的血液均流向右手手腕,使得握住刀柄的手掌濕黏黏的。雙唇抖顫不已。

將短刀收進鞘內擱置在右後方,我結跏扶坐。……趙州曰無。何謂無?我咬牙切齒地罵了一聲臭和尚。

由於臼齒咬得太用力,鼻孔猛冒熱氣。太陽穴抽筋得很痛。雙眼也睜得比平常大兩倍。

我看得到掛軸。看得到座燈。看得到榻榻米。更看得到師傅的光頭。甚至聽得到師傅咧嘴嘲笑的聲音。真是豈有此理的臭和尚。說什麼也得砍下他那個光頭下來。好,我就悟給你看。舌根不停地唸著“無”、“無”。明明在唸著無,我還是聞得到房裡的香味。搞什麼鬼?也不想想自己只是根香!

我出其不意地握緊拳頭不停毆打自己的頭。再咯咯作響地咬緊臼齒。兩腋汗如雨下。背脊僵硬得像木棒。膝蓋骨突然疼痛不堪。即使膝蓋骨折了,我也不在乎。可是,好痛。好難受。“無”卻久久都不顯現出。以為已進入“無”的境界了,卻立刻被疼痛拉回。氣死我了。既懊惱又不甘心。雙頰淚如泉湧。我真想一頭栽到巨巖上,來個粉身碎骨。

不過,我還是強忍著痛苦扶坐著。即使胸腔充滿無法忍受的苦悶,我還是忍住了。那股苦悶急躁地想抬高我全身的筋肉,再自毛孔往外逃竄,可是四面八方都被堵住了,找不著出口,狀況極為狼狽。

不久,我有了異樣的感覺。座燈、蕪村的畫、榻榻米、棚架,好似都消失了,可是又好似都仍存在著。話雖如此,這並不表示“無”已現身在我眼前。我只是馬馬虎虎坐著而已。然後,隔壁房間的座鐘開始響起。

我嚇了一跳。右手馬上擱在短刀上。時鐘又敲了第二響。
人は何かの犠牲なしに何も得ることはできない。
待て、而して希望せよ。
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