夏目漱石 夢十夜(转自咖啡论坛)
#6
第五夜

 こんな夢を見た。
 何でもよほど古い事で、神代に近い昔と思われるが、自分が軍をして運悪く敗北たために、生擒になって、敵の大将の前に引き据えられた。
 その頃の人はみんな背が高かった。そうして、みんな長い髯を生やしていた。革の帯を締めて、それへ棒のような剣を釣るしていた。弓は藤蔓の太いのをそのまま用いたように見えた。漆も塗ってなければ磨きもかけてない。極めて素樸なものであった。
 敵の大将は、弓の真中を右の手で握って、その弓を草の上へ突いて、酒甕を伏せたようなものの上に腰をかけていた。その顔を見ると、鼻の上で、左右の眉が太く接続っている。その頃髪剃と云うものは無論なかった。
 自分は虜だから、腰をかける訳に行かない。草の上に胡坐をかいていた。足には大きな藁沓を穿いていた。この時代の藁沓は深いものであった。立つと膝頭まで来た。その端の所は藁を少し編残して、房のように下げて、歩くとばらばら動くようにして、飾りとしていた。
 大将は篝火で自分の顔を見て、死ぬか生きるかと聞いた。これはその頃の習慣で、捕虜にはだれでも一応はこう聞いたものである。生きると答えると降参した意味で、死ぬと云うと屈服しないと云う事になる。自分は一言死ぬと答えた。大将は草の上に突いていた弓を向うへ抛げて、腰に釣るした棒のような剣をするりと抜きかけた。それへ風に靡いた篝火が横から吹きつけた。自分は右の手を楓のように開いて、掌を大将の方へ向けて、眼の上へ差し上げた。待てと云う相図である。大将は太い剣をかちゃりと鞘に収めた。
 その頃でも恋はあった。自分は死ぬ前に一目思う女に逢いたいと云った。大将は夜が開けて鶏が鳴くまでなら待つと云った。鶏が鳴くまでに女をここへ呼ばなければならない。鶏が鳴いても女が来なければ、自分は逢わずに殺されてしまう。
 大将は腰をかけたまま、篝火を眺めている。自分は大きな藁沓を組み合わしたまま、草の上で女を待っている。夜はだんだん更ける。
 時々篝火が崩れる音がする。崩れるたびに狼狽えたように焔が大将になだれかかる。真黒な眉の下で、大将の眼がぴかぴかと光っている。すると誰やら来て、新しい枝をたくさん火の中へ抛げ込んで行く。しばらくすると、火がぱちぱちと鳴る。暗闇を弾き返すような勇ましい音であった。
 この時女は、裏の楢の木に繋いである、白い馬を引き出した。鬣を三度撫でて高い背にひらりと飛び乗った。鞍もない鐙もない裸馬であった。長く白い足で、太腹を蹴ると、馬はいっさんに駆け出した。誰かが篝りを継ぎ足したので、遠くの空が薄明るく見える。馬はこの明るいものを目懸けて闇の中を飛んで来る。鼻から火の柱のような息を二本出して飛んで来る。それでも女は細い足でしきりなしに馬の腹を蹴っている。馬は蹄の音が宙で鳴るほど早く飛んで来る。女の髪は吹流しのように闇の中に尾を曳いた。それでもまだ篝のある所まで来られない。
 すると真闇な道の傍で、たちまちこけこっこうという鶏の声がした。女は身を空様に、両手に握った手綱をうんと控えた。馬は前足の蹄を堅い岩の上に発矢と刻み込んだ。
 こけこっこうと鶏がまた一声鳴いた。
 女はあっと云って、緊めた手綱を一度に緩めた。馬は諸膝を折る。乗った人と共に真向へ前へのめった。岩の下は深い淵であった。
 蹄の跡はいまだに岩の上に残っている。鶏の鳴く真似をしたものは天探女である。この蹄の痕の岩に刻みつけられている間、天探女は自分の敵である。

做了這樣一個夢。

大概是很久很久以前,或許是兩千多年前的神話時代吧,那時我是個士兵,不幸打敗戰,被當成俘虜強行拉到敵方大將面前。

當時的人們都是高頭大馬,而且都蓄著很長的鬍鬚。腰上繫著皮帶,並掛著棒子般的長劍。弓則好像是用粗藤做的,既沒塗上黑漆,也沒磨亮。看上去很樸實。

敵方大將坐在一個倒置的酒甕上,右手握著被插在草叢上的弓。我看了他一眼,只見他濃密的粗眉連成一直線。這個時代當然沒有刮鬍刀之類的東西。

我因是個俘虜,沒有位子可坐,便在草叢上盤腿而坐。我腳上穿著一雙大草鞋。這個時代的草鞋都很高,立起時,可達膝蓋上。草鞋上端一隅還故意留一串稻草,像穗子一樣自然下垂著,走起路來晃來晃去,是當裝飾用的。

大將藉著篝火盯視著我,問我要活亦或要死。這是當時的習慣,每個俘虜都會被問相同的問題。若回說要活,表是願意投降;回說要死,則代表寧死不屈。我只回說,要死。

大將把插在草叢上的弓拋向遠方,並拔出掛在腰上的長劍。此時,隨風晃動的篝火湊巧將火舌轉向長劍。我將右手手掌張開成楓葉狀,手心對著大將,抬到雙眼前。這是表示暫停的手勢。於是大將又收回長劍。

即使在那遙遠的時代,愛情這個東西仍是存在的。我說,希望在臨死之前能和我的戀人見一面。大將回說,可以等到翌日天明雞啼之時。在雞啼之前,必須把戀人帶來。若誤了時辰,我就不能跟戀人見面而走向死亡之命運。

大將又坐下來,眺望著篝火。我交叉著自己的大草鞋,坐在草叢上等候戀人趕來。夜,漸漸深沉。

偶爾會傳來篝火崩裂的聲音。每當篝火崩裂,流竄的火焰即狼狽不堪般地將火舌轉向大將。大將的雙眸,在濃眉之下閃閃發光。篝火崩裂後,馬上會有人再拋下樹枝於火中。過一會,火勢又會啪吱啪吱旺盛起來。那聲音,勇猛得似能彈開黯夜一般。

此時,女人正牽著一匹被繫在後院橡樹的白馬出來。她三度輕撫了馬的鬃毛,再敏捷地躍上馬背。那是一匹沒有馬鞍亦無踩鐙的裸馬。女人用她那修長雪白的雙腳,踢著馬腹,馬兒即往前飛奔。

可能又有人在篝火中添了樹枝,使得遠方天邊顯得幾分明亮。馬兒正朝著這亮光奔馳在黑暗中。鼻頭噴出兩道火柱般的氣息。不過女人仍拼命以修長的雙腳猛踢馬腹。馬兒奔馳得蹄聲都能傳到天邊。女人的長髮更在黑暗中飛揚得宛如風幡。然而,女人與馬,仍離目標有一段距離。

突然,黑漆漆的路旁,響起一聲雞啼。女人往後仰收緊握在手中的韁繩。馬兒的前蹄噹啷一聲刻印在堅硬的岩石上。

女人耳邊又傳來一聲雞啼。

女人叫了一聲,將收緊的韁繩放鬆。馬兒屈膝往前一衝,與馬上的人兒一起衝向前方。前方岩石下,是萬丈深淵。

馬蹄痕現在仍清晰地刻印在岩石上。模仿雞啼聲的是天探女(譯注:又名天邪鬼,佛教中被二王、毘沙門天王踩在腳底下專門與人作對的小鬼)。只要這馬蹄痕還刻印在岩石上期間中,天探女永遠是我的敵人。
人は何かの犠牲なしに何も得ることはできない。
待て、而して希望せよ。
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